家作り工事編

セルフビルドで家作りはできるのか?【秘境に家をつくろう〜完結〜】

2021/01/26

前回の記事にてポストに関することを書きました。

「ポストを設置【秘境に家をつくる〜工事編21〜】」

この続きです。

セルフビルドで家作りはできるのか?

友人の息子のドローンで空撮してもらった1枚。

金はない。知識もない。でも家を建てたい。それも自分達で。そんな思いから始まった家作り。しかも電気も水道もないような、秘境ともいえるような場所で。

実際には100%自分達で作ったセルフビルドではなく、できないところはプロにお願いするハーフセルフビルドという方法で建てた我が家。自分達も家作りに少しでも関わりたい!という人の参考になればと書いてきましたが、今回でいったんの完結となります。

セルフビルドで家作りはできます

できるかできないかでいえば、セルフビルドで家作りは可能です。ただ知識ゼロ、予算ゼロだと、正直厳しい結果になるでしょう。すぐに行き詰まり、諦めざるを得ないことになります。であれば知識、予算をどうすればいいか。僕が実際に家を建てて、思うことを紹介します。

セルフビルドの知識を得るためには?

セルフビルドで家を建てた人の書籍やブログがあります。それらを見ると「いやいや、まったくド素人ではないでしょ?」という感想を持つことでしょう。確かにその通りで、完全なる知識ゼロではなく、少なからず建築の知識がある人のように思います。じゃあ僕が知識を多く持っていたかというと、ちょっとDIYができるといった程度で、家なんか建てられる知識はありませんでした。書籍やネットで知識を付けることもできますが、やはりすぐに連絡を取り合える大工さんや工務店とタッグを組むというのが、現実的な解決策です。もしくはなんでも相談できる建築系に明るい友人がいるとだいぶスムーズにできます。ただ、甘えすぎて友情に亀裂が入らない程度がいいですね。

セルフビルドの予算をどうするか?

これから家を作ろうとする人で、予算ゼロはかなり厳しい…。お金がないからセルフビルド。という選択になりやすいのですが、工具や建材など、日々お金がどんどん飛んでいきます。お金を借りられればいいのですが、そもそも「これから自分で家を作るんでお金貸してください」なんて銀行に行ってもきっと断られます。

フリーローンなら借りられますが、狙うべきは住宅ローン。フリーローンは借りられる金額が少ない上、金利が高くつくらかです。家作りはなかなかお金がかかるので、やはり住宅ローンを組めた方がベストと言えるでしょう。

全額現金を用意できるのであればこんな問題は発生しませんが、住宅ローンを組もうという人は、やはり工務店などに間に入ってもらい、正式な見積もり(実際にはかなり増減するので見た目的に)を提出することでお金が借りやすくなります。

セルフビルドに向く人、向かない人

セルフビルドは万人にオススメできるものではありません。なんでもそうですが、向き、不向きがあります。

セルフビルドに向いている人

時間が取れる人

セルフビルドに向いている人の一番の条件は、なんといっても

時間が取れる人です。

どれだけの量を自分で作りたいのかにももちろんよりますが、多くの部分を作ろうとした場合、むちゃくちゃ時間がかかります。ただでさえ慣れない作業ですし、都度いろいろ考えながらなので、予想を遥かに上回る時間がかかるのです。土日だけフルに作業するとしても月に8日ほどしかありません。プロであっても家作りは3ヶ月以上かかるので、計算すれば言わずもがなです。

大部分をプロに依頼して、土日でできる範囲で作りたい!というのもひとつの方法ですが、想像以上に多くのことはできないでしょう。ただ少しでも自分達の手を動かしたいという人にとっては、そういった方法も最善策だとも思います。

完璧を求めない人

セルフビルドに向いている人の二つ目の条件は、

完璧を求めない人です。

僕は今では、誰かのお宅にお邪魔したり、お店などに行くと、プロが作ったものでもよーく目を凝らすと少々粗い部分を見つけられるようになりました。家作りに関わっていなければ気付かなかったような部分ですが、自分の変化に驚いています。何が言いたいかというと、プロでさえそういったこともあるのに、素人が作ったとなれば、それはそれは粗い部分が多くなるということです。ただ粗いとはいっても、「まあこれも味ってことで」「自分で作ったわりにはなかなかいいじゃない」と思えるようなメンタルじゃないと、入居後の精神衛生に良くないので、ある程度、許容できる心が必要です。

ちょっとびびれる人

夢にまでみたマイホームを作るにあたって、事故などがあるとテンションだださがりになっちゃいます。なので、慣れない作業も慣れた作業も、ちょっとびびったりして向かえる人の方が安全に進められるでしょう。それにガスや電気など、「いけいけドンドン!!」ってな感じで、あまり知識もないのに施行してしまうとあとで大事になってしまう可能性もあるからです。

なので僕は

「骨が崩れたら家が潰れる」と上棟は大工さんに、

「火事になったらえらいこっちゃ」と設備は設備屋さんに依頼しました。

怪しい部分は素直にプロの手を借りる。というのも安心して暮らせる家を作るために必要な部分です。

セルフビルドに向かない人

これはもう簡単で、「自分で作るとかあんまり興味ないし」という人ですね。建売住宅でも注文住宅でも100%プロ任せした方がいいです。

セルフビルドの醍醐味

便宜上セルフビルドという言葉を使ってきましたが、ハーフビルドであってもやっぱり自分達で手を動かして作ったものはプライスレス。なにか不具合があっても「あの業者ほんと最悪…」なんて嫌な思いをすることもなく、自己で完結できるという気持ちよさもあります。それになかなかできない経験をすることで、今後のDIYに覚えた知識を活かせたりと、人生に役立つスキルが身につく点も嬉しいところです。

もう一度、家作りをしちゃう?

家が完成してからまだそれほどの時間がたっていませんが、そんな機会があればぜひともやってみたいなとすでに思います。

家作りを終えて

振り返ると面白かったことだけでなく、大変だったことも多く思い出します。しかしなにより思うのが、完全なるど素人に付き合っていただいた、大工のMさんをはじめ、建築工事を機に知り合った多くの人々への感謝の気持ちです。もう足を向けて寝られません。

長男、次男は、前の家で生まれ育ってきましたが、三男は生まれも育ちもこの新しい家。少しずつ歴史が積み重なっているのを実感しています。

 

そんなこんなで、「秘境に家をつくる!」シリーズはいったん完結。このシリーズが「自分で家を作っちゃうぜ!」って人に届き、少しでもお役に立てば幸いです。

 

次回からは家作りの経験を活かして、憧れ続けていた「鶏小屋建築編」にいきます。

to be continued

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