家作り準備編

秘境に家をつくろう〜設計編〜

2019/07/23

前回の記事にて土地が決まるところまでを書きました。

「秘境に家をつくろう 〜土地探し編〜」

今回は家の設計編です。

入手した3,500㎡の土地の中で宅地化するのは、490㎡(約150坪)。

そこに、どんな家を建てようと考えたのか? 設計図が完成するまでの考えを追っていきます。

決意したのはハーフセルフビルド

僕は高山市内で、1日1組限定の宿を営んでいます。

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オープン前、工事現場で職人さん達の仕事をずっと見学していました。その経験があるぐらいの僕と、まったく建築に関わったことのない妻。建築の技術や知識があるわけでもない、いわゆる建築の素人です。そんな僕たちでしたが、人生初めての家作りにおいて、大きな試みをしようと決意していました。

それは、「自分達で作る」ということ。最近ではセルフビルドと呼ばれているものです。

金銭的な余裕がないことも理由のひとつでしたが、とにかく「なんとなく面白そう」というのが最大の理由です。ですが、調べてみると素人が全てを行うのはハードルが高すぎることが判明(調べなくても気づけよって話ですが…)。

 

そこで出した結論は、

基礎(家の土台となるコンクリート)

上棟(骨組み)

屋根の施行

を、業者の方に依頼するということ。

住み始めてから「いつ崩れてしまうのだろう…」という不安が出ないように、家の基本となるこれらの部分を依頼し、分からない、出来ない所は、都度大工さんにヘルプを依頼しながらも、基本はコツコツ自分達でやっていこうということでした。

全てを自身で行うことがセルフビルドと呼ばれていることに対し、難しい所は業者さんにお任せするこの方法は、ハーフセルフビルドと呼ばれています。便宜上、本サイトでは「セルフビルド」という言葉を使っています。

ある大工さんとの出会い

セルフビルドで一番大事なのが、信頼できる大工さん、または工務店との出会いです。

僕たちがお願いしたのが、設計から工事まで幅広く建築の仕事を請け負っている大工のMさん。宿の工事をお願いしたことがきっかけで知り合った人です。素人の僕たちにとって本当に頼りになる、まるでスーパーマンのような存在で、無謀とも言えるこの計画への協力も快諾いただくなど、一生頭が上がらない人です。

実は、生活用水に井戸水を使うというアイディアもMさんからいただきました。Mさんの自宅も井戸水を利用しているとのことだったので、一気に背中を押されたという経緯があります。

僕の場合は、このような出会いがあったので、幾つもの工務店を訪ねるようなことはありませんでした。少々特殊な例かもしれませんが、施主施行を後押しするような工務店もありますので、ちょっとでも自分達で体を動かして家作りをしたい人は、聞いてみるといいと思います。

家作りにあたって、譲れない条件は?

まずは絶対に妥協できない条件を考えました。

南向き(理由:部屋の中が明るい方がいいから)

平屋建て(理由:土地が広いことから逆に2階建てにする理由がない)

ビルトインガレージ(理由:バイク専用の空間を作るのが夢だった)

リビングは可能な限り広く(理由:多くの時間を過ごすから)

天井はなるべく高く(理由:暖房効率などは下がりますが、解放感を優先)

これが多いのか少ないのか分かりませんが、「譲れない」というのは、この5つぐらいしかありませんでした。上記の要素を取り入れた上で、まずは素人なりに間取りを書いてみます。

別に設計士でもないし、ましてや間取りなんか考えたこともない素人です。そこでイメージしたのは、マンションの間取り。マンションは数あれど、同じような間取りって多いじゃないですか(気のせい?)。これって実はすごい効率的な間取りだと思ったんです。あと気にしたのは、できるだけ複雑な作りにしないこと。極限までシンプルにということです。なんせ素人が作ろうとしているのですから。

 

勝手にイメージしたマンションの間取りをベースに素人なりに手を入れ、大工のMさんに意見を聞きに行きました。そこでいただいた主なアドバイスが以下のものでした。

水場は日当たりのいい場所の方に設置すべき。

玄関から出入りする導線にする(田舎は特にだと思いますが、便利なので勝手口から出入りする家庭が多い。で、これがあまり「気」的に良くなく、いい気が入らず、悪い気が出て行かないのだそうです。特に家の主人は玄関から出入りした方が、吉とされるみたいです。

ビックリしたのは「風水的に…」という話が多かったことです。迷信や占い、運命などを一括りにしていいのか分かりませんが、そういったものに縁のない人生をおくってきた僕にとっては、にわかに信じられないものでした。

Mさん自身も「風水ってほんとに〜?なんて思ってたんだけど、ちゃんと風水を考えて作られている家は確かに気持ちいいんだよね。不思議なものだよ」と言っていました。

既にMさん信者となっていた僕たちは「なるほどー」「確かに!」などを連発しながらメモを取り、設計の最終化に向けて再度間取り図を変更しました。

間取りが決定!

合計で2回、Mさんの間取りに関するアドバイスを受け、遂に間取りが決定。

それがこちらです。

 

なかなかシンプルな作りになりました。玄関は右にある開口部です。

ちなみに各部屋の広さは以下の通りです。

 

間取りは確定。次からは、いよいよ工事に向かいます。

 

これにて【秘境に家をつくろう〜家の設計編〜】は終了。

次は「着工前から着工へ【秘境に家をつくろう〜工事編01〜】」にいきます。

to be continued

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