米づくり、田んぼを整備する【農業初心者米をつくる♯2】

前回の記事で田んぼの借り方を紹介しました。

「米をつくる理由、田んぼの借り方【農業初心者米をつくる♯1】」 

この続きです。今回は、借りた田んぼの整備に関することを紹介します。 

米づくり、田んぼを整備する

昨年まで誰かが米づくりをしていた田んぼなら残留農薬の心配はあるものの、ほとんど手はかかりません。しかし「耕作放棄地」を復田するとなると話は別です。

• 木が生えている
• 大量の雑草が生えている
• 水の確保

など、普通の田んぼにするために色々とあります。ただこれは田んぼそれぞれで、意外と簡単に復田できたり、逆に想像以上に手がかかることもあるでしょう。僕が1年目に初めてお借りした田んぼは「すぐに使えたよ」と言いたいところですが、最もハードルの高い交錯放棄地でした。

米づくり1年目。耕作放棄地を整備する

米づくりにあたって、なくてはならいのが「水」ですね。しかし、1年目にお借りした田んぼには水が来ていませんでした…。10年前には米を作っていたそうなので水はあるはず。しかし水路を見ても、まったく水が流れている様子はありません。そこでかつて水路として使われていたU字溝を水源へと遡っていきます。

水路を塞ぐ大量の土砂、木の根。上に被さっていた枯葉を除くとこんな感じで、見るからに重そうなのがたっぷり。

長い年月使われていなかっただけあって本来水が流れるU字溝には、土や落ち葉、落石、小石、倒木、絡まる根っこなどが大量に詰まっていました。

「こっ、これ全部かきださなきゃならないの…」

なんて思いながら、U字溝をさかのぼり続けてようやく辿りついた水源。そこまでの距離は田んぼからおよそ1km。完全に山の中という1人だとなかなか不安になるような環境、そして大量の堆積物に心が折れかけます。

辿りついた水門。ここを開ければ水が流れます。

実はこの田んぼのすぐ近くに住む人と一緒に田んぼを始めることになっていました。その人も米づくりは初めてでしたが、心強いパートナーです。

「やるしかないね…」

お互いそう言って、まずはU字溝の掃除から始まりました。

U字溝を掃除、掃除、掃除！

ジョレン、ナタ、草刈り機など総動員して掃除を始めます。毎日片道40分かけて通うこと、1週間。やっと山中に通1kmものU字溝を掃除し終えました。

掃除後の様子

なんども心が折れそうになるものの、掃除を終え水を通します。

田んぼの水路が開通

山奥の水門を開けると水はぐんぐん進み、田んぼの横まで到着。

遂に水源の門を開ける時がきました。

「いざオープン！」

のかけ声と共に水門を開けると、水が勢いよく水路に流れ田んぼへと向かっていきます。そして水が田んぼに到着。ようやく水路が開通しました。この時の感動といったら…。水路の開通からというなかなかハードな田んぼでしたが、これで「水」の確保はOKに。

田んぼの一角に水が入ることを確認。

水が入るのを確認したら、すぐ水を止めました。乾いた状態で次はトラクターで田起こしをしていくからです。

1、2年目の田んぼの整備は極端な例だと思いますが、「耕作放棄地」で米づくりを始めようとする場合は、とにかく水を確保できるか？から確認した方がいいですね。

米づくり3年目からは、家の近くの田んぼで

2年間、片道40分かけて田んぼに通うのはなかなか大変でした。水の管理もお願いしなくてはなりませんし、往復のガソリン代だけでお米を買うより高くつきますから。ただ、3年目には家の近くでお借りできるようになりました。寂しい気持ちもありましたが、背に腹は代えられないので、拠点を移すことにしました。

3年目からの田んぼを整備する

1、2年に目の田んぼに比べると、最初の整備はだいぶラクでした。とはいえ、やはり水の確保には少々手がかかります。取水源が山の中にあり、そこから黒いホースで田んぼまで引くのですが、ホースに落ち葉が詰まっていたり、途中で水が漏れていたり…。とこちらの田んぼも一筋縄ではいきませんでした。しかし、1年目に大変なことを経験しているので、それに比べてば朝飯前。だいぶ精神が鍛えられていたようです。

これにて「米づくり、田んぼを整備する【農業初心者米をつくる♯2】」は終了です。

次は「米づくり、田起こし＆代掻き【農業初心者米をつくる♯3】」に続きます。

to be continued