米づくり

米づくり、脱穀&精米、そして食卓へ【農業初心者米をつくる♯6】

前回の記事で天日干しまで書きました。

「米づくり、稲刈り&天日干し【農業初心者米をつくる♯5】」

この続きです。

米づくり、脱穀

稲刈りして、天日干しをしたらいよいよ脱穀です。ただその前に行いたいのが含水率を測るということ。ご存じの通り、お米には水分が含まれているのですが、そのパーセンテージがおいしさの重要な要素になります。

ハサ干しはどうしても日が当たりやすい部分と当たりづらい部分がでてしまいます。なので、一番乾きづらい日が当たりづらい部分の籾を少しとって水分測定器という機械で測ります。ざっくり2~3万円する高価なものなので、僕は精米所に籾を少し持っていって測ってもらっています。

脱穀前の水分率を測る

水分率は籾の状態でも測ることができますが、より正確を期するため、籾を剝いて玄米の状態で測ります。

14.5%~16%

この範囲に入ると最高です。ですが過去には脱穀後に16%を超えていたこともありました。その際は、広い場所にブルーシートを広げて乾かしてまた袋に戻して…という一手間が増えました。なので、その手間を省くには脱穀時に16%以下に収められているとあとあとラクになります。

水分が16%を超えていたので、軽トラの荷台にブルーシートを敷いて、乾燥中の様子

なぜ16%を超えてはいけないのか?ということですが、水分が多いと米に粘りが出てくることから精米器が詰まり故障の原因となるそう。そのため、16%を超えていると精米自体、受け付けてくれません。じゃあ逆に乾かしまくればいいのかといえばそうでもなく、14.5%を下回ると今度は味が落ちてしまうのです。なかなかシビアな世界です。上記の写真は脱穀前ではなく精米時に撮ったもので、14.8%とギリギリな感じ。気持ち乾かしすぎたといったことです。

現在の主流はハサ干しをせず、乾燥具合を調整できる「乾燥機」を用いることですが、乾燥を依頼するだけでも数万円の話なので、自然の力を借りていい%に持っていくようにしています。

ハーベスターを使って脱穀

水分率が16%以下ということを確認できたので、いよいよ脱穀。籾が濡れると具合が悪いので、天気のいい日を狙います。脱穀に使う機械は、ハーベスターというもの。米づくりを引退した方から譲り受けたものを使用しています。

ハサにかけていたビニールを外し、ガソリンを入れ、米袋をセット。粉塵が舞うので、マスクもあったほうがいいですね。準備ができたらじゃんじゃん脱穀していきます。

ハーベスターにはカッターがついているので、脱穀と同時に藁を細かくできます。これがまた来年の養分となります

袋にたまっていく籾

脱穀の作業が、一番収穫って感じがする作業で楽しいものです。どんどん袋に貯まっていく籾に嬉しさを感じます。

米づくりの仕上げ、精米

脱穀が終わったら、待ちに待った精米です。僕の場合は、精米所へ行く時は籾が入った米袋をひとつだけ持っていきます。一度にすべて精米した方が何度も精米所に行かなくていいのでラクかもしれませんが、白米の状態で長期間保管するのはあまりいいものではないんです。籾の状態のままの方が保管に適しているので、米がなくなりそうなタイミングで、1袋づつ精米するようにしています。

米袋をかついで、精米所へ

入口には写真の通り「水分を16%以下に」という紙が貼られています

田舎だと、結構な頻度でコイン精米があります。以前まではお手軽なコイン精米を使っていましたが、僕が育てている品種は粒が大きいとうこともあり、最近は精米の具合を調整できる精米所に行くようようにしています。

米袋に入った籾をじゃーっと流すと、いくつかの行程を経て白米となってサササーと出てきます。

籾が入った米袋はざっくり30kg。白米に精米すると籾とヌカが取れるため、20kgちょっとになります。この精米所では籾もヌカも持ち帰りが可能でヌカはニワトリのエサとなりますし、籾は産卵室のベッドや床に敷いたりと、捨てるところがありません。

新米をいただく

脱穀、そして精米を終え、ついに食卓へと登る米。新米特有の艶や匂い、それに自分で作ったということも拍車をかけて最高という他ありません。ここに我が家のニワトリが産んだ卵を落として、醤油をたらり。「卵ご飯を自給する日がくるとは…」なんて毎回思いながらいただいています。

これにて「米づくり、脱穀&精米、そして食卓へ【農業初心者米をつくる♯6】」は終了です。また米関連であれば、♯7を書きたいと思います。

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