米づくり

米づくり、稲刈り&天日干し【農業初心者米をつくる♯5】

2021/03/09

前回の記事で田植えまで書きました。

「米づくり、田植え&水の管理【農業初心者米をつくる♯4】」

この続きです。

今回は、僕が一番楽しい作業と感じる「稲刈り」作業に関してです。

 米づくりのゴール手前、稲刈りの前に

田植えをする妻

田んぼを借りて

田んぼを整備して

田起こし、代掻きをして

田植え、水の管理をして

間に何度か草取り、草刈りも挟んで

春から始めた米づくりもいよいよ終盤。刈り取りに向けて準備をすすめていきます。

稲刈りの時期はいつが適切なのか?

穂が出てきましたが、しばらくは緑の状態が続きます。稲刈りはもう少し先となります。

稲刈りはタイミングが重要です。早すぎでも遅すぎてもダメなので、稲穂を注意深く観察する必要があります。

早すぎ:未熟なものが多くなり、収穫量が減ってしまいます

遅すぎ:熟れすぎて、色艶が悪くなり味が悪くなってしまいます

では、ちょうどよい時期とはいつなのか?

穂が出てから40日後あたりが最適とされますが、単に日数だけでは計れません。下記の2つが揃った頃が刈り取りに丁度いいと先輩農家の方に聞きました。

  1. 穂の重みで頭が垂れている
  2. 穂の8割が黄金色に染まっている

1も2も見たらすぐに分かるのですが、2に関しては日当たり条件などによって株ごとにバラツキが少々あったりします。ですので全体の8割が刈り取りに良さそうと判断したら僕は刈ってしまいます。

刈り取り時期を失敗した…

ちなみに米作り1年目に大失敗した経験があります。穂がすべて黄金色になるまで待ってたのですが、待てど暮らせどすべてが黄金色にならない…。しかし「黄金色になるまで待つべし!」と心に決めていたので、完全に黄金色に染まるまで待ちました。結果、あまりにも長時間待ったことで、熟れすぎてしまったのです。

当時は失敗していたことに気付かず、刈り取って、天日干しして、収穫して、精米して、ご飯を炊いて。と、人生初めて収穫の喜びつつ、口の中に米を一口運んだ瞬間…

「まっ、まずいっ!」

なんというか、新米のはずなのにパサパサした古米のような食感で、褪せた味といいましょうか。とにかくびっくりするほどガッカリした記憶があります。にも関わらず、初収穫の喜びのあまり親戚に配って「う、うん。美味しかったよ」なんて気を使わせたコメントをさせてしまいました。

今思えば、収穫が遅すぎたことが大きな原因でしたね。そんなこともあり、刈り取り時期は気を使うようになりました。

刈り取り時期は天気予報を要チェック

稲刈りは天気も重要です。雨が降った翌日は田んぼがぬかるみ、どうしても作業性が落ちてしまいますし、刈り取った稲が泥だらけになることもあるからです。そのため3日ほど降雨のなかった後に刈り取りをするのがベストといえます。

稲を刈り取る3つの方法

稲を刈り取るには、3つの方法があります。

1、鎌を使って手で刈る

2、バインダーを使って刈る

3、コンバインを使って刈る

それぞれ、みていきます。

 「1、鎌を使って手で刈る」

イベントで行うなら別ですが、田んぼ全体をやろうとするとびっくりするほど時間がかかりますし体力も使います。現在では、機械で刈れない四隅や機械の進入口周辺などのみ手で行うのが主流です。

「2、バインダーを使って刈る」

僕はこの方法で刈っています。バインダーという機械は刈ると同時にある程度の量になると自動的に紐でしばってくれるものです。今では使っている人がだいぶ少なくなってきましたが、天日干しで刈り取った米を乾燥させる場合はこの機械一択となります。

「3、コンバインを使って刈る」

現在はコンバインという機械を使うのが主流です。これは一度に大量の稲を刈り取りつつ脱穀をしていくもの。機械に備わる大きなタンクに籾が貯まり、同時に粉砕した茎や葉を田んぼに撒いていくことができます。タンクに貯まった籾は大きな袋につめ、乾燥機で米を乾燥させます。

バインダー(稲刈り機)を用意する

2代目のマイバインダー。稲刈り時の頼もしい相棒です。

稲作するにあたって、注意が必要なのが機械です。トラクター、田植機、稲刈り機、脱穀機などなど、基本的に年に1度しか使わない機械が多いので、再び使う際には、問題なく動作するか確認が必要です。僕はバインダーを使っているので、毎年以下の準備をしています。

  1. ガソリンを購入し、携行缶に入れる
  2. 機械に給油し、動作を確認
  3. 専用の結束紐を準備し取り付け

ハサ棒を用意する

米の乾燥を天日干しすることを「ハサ掛け」または「ハザ掛け」などと言います。この工程は、乾燥機を使って乾燥させる場合には必要ありません。

天日干しする場合は、ハサ棒またはハザ棒と呼ばれるものを用意します。まあ、ようは木の棒なんですが、足となる細くて短い棒と、そこに乗せる長くて太めの棒を必要数用意します。僕の周りには天日干しを止めた人が多く「ハサ棒いらん?」とよく声をかけられるほどなので、ありがたいことに簡単に入手できています。

天日干しをする理由とは?

ハサに架ける、天日干しの様子。

乾燥機が主流となった今では、手間がかかる天日干しをしているだけで「おっ偉いねぇ」なんていわれたります。じゃあなんでこの天日干しをしているのか?ということですが「コンバインも乾燥機も持っていないから」というのが最大の理由です。とはいえ、市場では「天日干し米」の方が価値が高いですし、美味しいといわれています。実際、食べ比べしたことがないので一度してみたいんですけどね。

そんなこんなで、

「刈り取り時期OK」

「天気OK」

「機械OK」

「ハサ棒OK」

とれば、いよいよ稲刈りです。

米づくりのゴール手前、稲刈り当日

頭を垂れ、穂の8割以上が黄金色に染まった状態。刈り時を迎えました。

稲刈り当日はさすがに2〜3人で作業します。1人は稲刈り、残りの1、2人はハサ立てと刈った稲を棒に架けていく作業というように分担すると効率よく進めていけます。そうすれば、一反(1,000㎡)もない田んぼだと、午前中だけでほぼ稲刈りが終了します。

刈り取り中のバインダー。ある程度稲を刈ると自動的に紐で縛ってくれます。

稲刈り直前の様子。これから1株づつバインダーで刈っていきます。

ハサに架けた稲の防水

ハサにかけ終わったところ。この後、ビニールをかけます。

刈り取った稲をハサ棒に架ける際は、穂先が下になるようにします。しかしそうすることによって丸い穴の開いた茎が上となり、雨が降るとそこから水が入ってしまいます。ですので、一般的にはビニールなどを上にかけて水が入らない対策をします。

ビニールを被せないで稲自体を被せる方法もあります。

あとは、太陽と自然の風による乾燥を待つばかり。天気にもよりますがおよそ2週間ほどで水分量が適正になります。

 

これにて「米づくり、稲刈り&天日干し【農業初心者米をつくる♯5】」は終了です。

次は「米づくり、脱穀&精米、そして食卓へ【農業初心者米をつくる♯6】」に続きます。

to be continued

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