家作り工事編

地鎮祭から祝!上棟【秘境に家をつくろう〜工事編02〜】

2019/08/04

前回の記事にて基礎ができ、仮設電源が設置されたところまでを書きました。

「着工前から着工まで【秘境に家をつくろう〜工事編01〜】」

この続きです。

地鎮祭、上棟式って、やるべき?

地鎮祭

まずは地鎮祭。やる、やらない、という以前に地鎮祭という単語を僕は知りませんでした。常識がないと言われようと、家を建てるのが初めてですからね。しかもそれを知ったのが着工後だったので、基礎工事の途中に行いました。といっても、用意したのは酒と塩のみ。それらを撒いて、「土地を使わせてもらいます」と心の中で祈っただけの、もの凄く簡易的なものでした。

「一生に一回だから」という理由があると、ついつい財布の紐が緩んでしまうことが多いのですが、地鎮祭に数万円〜10数万円も出す価値観は僕にはありませんでした。

地鎮祭とは?一般的には土木工事が始まる前に行う儀式。土地の神を鎮め、工事の無事、家の繁栄を祈るもの。神主を招いて行う場合もあれば、施主、工事関係者のみで行う場合もある。

上棟式

そして上棟式。こちらもそんな単語は知りませんでした。聞いてみると、上棟式とは地鎮祭とは異なり、祈りの儀式ではなく上棟のお祝い。ということだったので、率直に大工さんに聞いてみました。「上棟式って、どういうのがいいんですかね?」と。返事は「特別なことやらなくていいと思うよ。お弁当だけ出してくれたらいいんじゃない?」とのことでした。なので、上棟日のお昼にちょっといいお弁当を提供させていただき、最後にお酒を渡したのみです。

上棟式とは?家の基本構造(柱、棟、梁)などの骨組みが完成した時点で行うもの。上棟の他に、棟(むね)上げ、建前(たてまえ)などとも呼ばれる。基本的には施主が大工の棟梁や工事関係者と顔を合わせ「今後も安全第一でお願いします」と伝え、その際に祝儀を贈る場合もある。ただ僕の場合は、上棟以降は自分でやるという考えだったので、ちょっと意味合いが違っていたのかもしれません。

遂に迎えた上棟の日

納品された木材

事前にプレカットされた木材に書かれた「多賀様邸」の文字。

天気予報で晴天が続く、2017年11月9日、10日に上棟が決定。2日間に渡って、一気に骨と屋根が組み立てられました。人数は、大工のMさんと、助っ人大工さん3名の計4名。とにかく手際がよく、あれよあれよと、どんどん家の形になっていきました。基礎だけの時は、「あれっ?意外と狭くないか?」なんて思っていましたが、高さが加わるだけで大きく見えるから不思議なものです。

両日ともに、ずぶのしろうとの僕ができることは、お弁当の手配のみ。あとはひたすら、見学していました。

プレカット木材

山積みになった木材。これが2日間で一気に家の形になる。

上棟の様子

まずは、いろはにほへと…と書いてある木材を所定の位置に置いていきます。

 

あれよあれよと家の形になっていきます。

 

上棟2日目には垂木もかかりゴールはもうすぐ。

使用した木材に関して

木材加工に関して

昔は大工さん達が木材の1本1本に枘(ほぞ、木材に差し込む突起)を作り、枘穴(ほぞあな、突起が差し込まれる穴)を掘って木材の継手を作っていました。

しかし最近は、実に9割以上の住宅がプレカット(事前に工場にて加工すること)された木材を使用しています。現場で加工する時間が減るので、大幅に工期が短縮するメリットがあるからです。

世の中には自分で刻んで(木材の加工を刻むといいます)しまう凄い人もいますが、僕はプレカットを選択。素人が刻みから手を出すのは、時間的に現実的ではなないと思ったからです。

木材に関して

最近の家作りでは、コストの面から外国産材を使用することが多いようです。ただ僕の家では写真にもある通り、外国産材ではなく岐阜県材を使用しました。日本の林業の衰退が叫ばれて久しい今、できれば県材を使用したいと考えていたからです。ただもちろんコストは考えなければなりません。意義のために数十万円も材料代がアップするのは、予算が許さないからです。

とはいえ、県材は市から補助が出るということを知っていたので、大工のMさんにどっちが安くなるかを聞いたところ「いやいや圧倒的に外材が安いでしょ?」との返事。「そうなんですね…」と思うものの、見積もりを見ないと納得できない性分なので、外材と補助金を考慮した県材の見積もりを取ってもらいました。そしたら、実は金額的に変わらないことが判明。そうなれば県材一択です。この結果には、大工のMさんも驚いていました。

確かにいくら「環境のために県材の使用を!」と叫んでみてもただでさえ余裕のない予算の中で家を作ろうとする人は、安価な外材に頼ってしまうのも仕方がない話だと思います。とはいえ、市町村によってはそのような補助が出る場合があるので、林務課などでそのような制度があるか確認した方がいいでしょう。

アスファルトルーフィングを貼る

アスファルトルーフィングを貼っている様子。周りに民家はありません。

我が家の屋根は、とにかくシンプルな形を目指したので、写真の通り片流れ屋根です。登ってみましたが、結構な広さに改めて驚きました。上棟日は晴れていたものの、いつ雨が降るか分からないのでとにかくアスファルトルーフィングというものを貼るところまで板金屋さんが頑張ってくれました。

アスファルトルーフィングとは、屋根の下地材に貼るもので、要は防水シートです。

アスファルトルーフィング。水下から貼っていきます。

なぜこの行程を急ぐかというと、ルーフィングを貼らない状態で雨が降ると、下地の木が傷んでしまうからです。実際に僕が施行した訳ではありませんが、水が流れる下から順に貼ることで雨漏りを防いでいきます。これは外壁など雨が当たる部分に共通することで、とにかく構造体が雨に濡れないように気をつける必要があります。

とにもかくにも、「上棟」が済みました。基礎、骨、屋根が出来たということです。いよいよここからセルフビルド。僕らの出番です。が、「えっと最初に何したらいいんだっけ? ってか、これ結構ヤバイことやろうとしてんじゃないの?」と、出来上がった大きな構造物を見て、いきなり途方にくれました。

これにて「地鎮祭から祝!上棟【秘境に家をつくろう〜工事編02〜】」は終了。

次は「間柱から透湿・防水シートまで【秘境に家をつくろう〜工事編03〜】」にいきます。

to be continued

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