家作り工事編

フローリングを張る【秘境に家をつくろう〜工事編11〜】

2020/03/04

前回の記事にて壁や天井に珪藻土を塗ったところまでを書きました。

「内装を仕上げる【秘境に家をつくろう〜工事編10〜】」

この続きです。

 

今回は、フローリングに関して。

床材を考えるにあたって、畳という選択肢はありませんでした。理由はシンプルにイメージしているテイストに合わないからです。「一部の部屋を小上がりにして畳を敷く」といった和洋折衷のスタイルというのもありますが、僕は畳のメリットを特に感じなかったのでフローリングオンリーを選択しました。

建物の洋風化が進んだことで全国的に畳の使用量が減り、畳職人が厳しい状況に…。というニュースを見たことがあったので、申し訳ない気持ちもありましたが、イメージを貫くことにしました。

「フローリングの選び方」無垢と複合

「フローリング」といってもさまざまな種類があります。まず大きく分けると、「無垢フローリング」「複合フローリング」に分けることができます。ざっくりした違いは下記で。

無垢フローリング

木の質感そのままを味わうことができ、長い年月によって変化する風合いを楽しめる。100%天然木なので、湿度によって反ったり、ねじったり、幅が縮んで隙間が空くなどの可能性もある。また、定期的なメンテナンスが必要。

複合フローリング

合板の上に薄い木やシートを貼り付けたもの。薄い木は、挽き板(約2mm)、突き板(約0.3〜1mm)などがあり、シートは樹脂や紙に木目などがプリントされたもの。床暖房対応などもあり、幅広い選択肢から選ぶことが可能。

で、我が家が選んだのは「無垢フローリング」でした。

理由は、複合フローリングは接着剤などのケミカルがいっぱい入ってそうということ(勝手な思いこみです。科学的根拠はありません、ご了承ください。ちなみに化学物質過敏症でもないです)。それと100%天然木の方がなんか気持ちいいということでした。

施行するにあたって、無垢のフローリングは大変という話もちらほら見ますが、実際には複合のフローリングと大差ありません。

「フローリングの選び方」樹種、グレード、塗装、サイズ

オークのいろいろな表情を楽しめるグレード。乾拭きしているのは長男。

無垢のフローリングといっても多くの樹種、それにそれぞれにグレードがありますし、値段もピンキリです。こればっかりは好みの柄で選ぶしかありませんし、無塗装のものであれば着色する塗料によっても大きく表情が異なります。

樹種

一般的に、希少価値のある樹種は高く広く流通しているものは安くなります。例えばウォルナットは高く、パインなどは安いといった具合です。またオークなどに代表される広葉樹は固く傷がつきにくく、杉や檜、パインなどの針葉樹は柔らかく傷がつきやすいものです。

グレード

木目の違いや節の有無が大きく関係します。木目は柾目(まさめ)の方が高く、板目(いため)の方が安くなり、また板目でも節があるものは更に安くなります。柾目のものは木目が真っ直ぐに伸びているので高級感を出したい時に最適ですが金額がネックになります。板目の木目はグネグネとまがっていたり、真っ直ぐだったりと色々な表情があり、金額も抑えめにすることができます。遊び心は板目の方があると思います。

塗装

今までの経験上、オイル塗装をする場合、広葉樹の方がよく入ると思います。針葉樹は油分が多いのか、表面上に着色できるだけで、なんとなく深みがない仕上がりになりやすいです。

またフローリングを選ぶ際に「ウレタン塗装」というのがでてきますが、これは文字通り表面にウレタンを塗って仕上げているものです。艶があり、水に強く、傷にも強い。と書くといいことだらけですが、自分好みの色に仕上げたいときは向きません。僕は艶無しが良かったのと、自分で塗装する気だったので「無塗装」縛りで選びました。

サイズ

無垢材のフローリングの幅は何種類かあって、90mmが一番多いと思います。75mm、120mm、150mmなどもあり、基本的には無垢材では、幅が広い方が高くなります。というのも太い木じゃないと幅広くとれないからです。数cm違うだけで部屋の印象が大きく変わるので、意外と大事なポイントです。施工時に関しては幅広の方が切って、張って。という手間は少なくなります。我が家では基本120mmでトイレのみ90mmの幅にしました。

フローリングの買い方

最近ではネットでもフローリングを購入することが可能です。必要数を計算できる場合は、その方が安くなることも多いでしょう。僕の場合は、建材屋が年に数回行っている安売り祭みたいなのがあって、そこでオークを少し購入しました。なぜ少しかというと、安売りだけに量が決まっていたからです。残りは日頃からお世話になっている別の建材屋で注文しました。

ここで気をつけないといけないのが、同じ「オーク」、そして同じ「サイズ」であってもメーカーが違うとジョイントする凸凹部分の実(さね)という所が若干違う場合があるということです。なので、メーカーが異なるものを仕入れた場合は、部屋毎に同メーカーに統一して施工するのが吉といえます。

「我が家が選んだフローリングは?」

家の大部分はオーク

右側から施行していって、終わった部分から段ボールなどで養生。無塗装状態なのであまり面白みがない色合い。

で、我が家の場合ですが、「オーク」を多用するというイメージだったので、トイレとロフトを除いてすべてオークの床板にしました。木目は板目。柾目の方がいわゆるきれいな線が描かれていますが、色々な表情があった方が面白いと思ったのと、金額の安さからです。グレード的には下のものになります。「最近はあえてこういったものを選ぶ人が多くて、在庫がかなり少ないんだよね」と資材屋さんが言っていました。はからずも流行にのってしまったようです…。

トイレはソノケリン

ソノケリンの表情。

そしてトイレに使用したのは「ソノケリン」という樹種を使いました。これはグレードが低いものなので、様々な色や表情を楽しめますが、グレードが高いとあまり変化に富んだ表情ではなく高級感が高くなるようなものです。実は、この材は宿を作った際のあまりで、その中途半端な量からどうしたものか?と思って使い道がなくとっておいたものです。ちょうどトイレに使える量だったのと、トイレだけは違った雰囲気にしても面白いと思ったので、いよいよ出番がきたというわけです。

ロフトはパイン

ロフトをレッドパインで張っているところ。

荷物置き用に作ったロフトは、パインにしました。すぐ傷ついたり凹んだりしますが、それも味ですし、なによりあまり行くところではないので、リーズナブルなことを最優先に。これは幅111mmで長さが3,850mm。一般的に長さは1,830mmほどですが、長辺が長い場所だったのでかなり長い材を使用しました。

フローリングのカタログは、街の建材屋などで簡単に手に入ります。それを見ているだけでも結構楽しいので、フローリングを検討されている方は、まずはカタログの請求を。

「フローリングの張り方」

ステープルを打っているところ。

これも好みなので、好きなように張るのが一番だと思います。我が家では、いたってシンプルなものにしました。この部分は書こうと思うとかなりの情報量ですし、張り方はネットに幾らでも落ちているので、ざっくり順番だけを紹介します。

板を張る方向、張り方

まずは方向や張り方を決めなければいけません。我が家では、張る方向は長辺に平行するということ。張り方は定尺張り。ということにしました。張り方は、斜め張りやヘリボーン張りなどいくつかありますが、シンプルかつ施行がしやすい定尺張りにしました。

計って、計算する

フローリングは張り始めと、張り終わりが大事と言われているそうです。「えいやー」で始めると後で痛い目を見るので、最初の計算がかなり大事になります。

張り始め

僕は、大事な1列目は大工さんにお願いしました。そうして壁と平行が取れた状態で、ひたすらに切って、張って、というのを繰り返しやっていきます。

写真にもちょいちょい写っていますが、フローリングの間に白いカードのようなものを挟んでいます。これは、木の伸び縮みに対応できるように、若干の隙間を作るためです。複合フローリングでは不要なこともありますが、無垢だと必須のものです。

フローリングを張るには、実部分にフローリング用のネイルという釘みたいなのものやホッチキスの針のようなステープルを打ち付けていきます。ドリルで下穴あけて、ネイルをポンチで打つ。という作業方法もありますが、僕は大工さんにお借りしたステープルを打てるエア工具で張りました。ずっと、かがんだ作業になるので結構腰に優しくない作業です…。

張り終わり

最後の部分はどうしてもネイルやステープルが壁際なので打てなくなります。なので、最後の部分は木工用ボンドで仕上げます。

塗装

すべて張り終わったら、仕上げとなる塗装です。ウレタン仕上げのものには必要ありませんが、無塗装なので保護の意味も兼ねて塗る必要があります。まずは電動工具のサンダーに240番のヤスリをつけて表面をならします。もっと目が細かいものを使う人もいるようですが、あまりならしすぎるとツルツルし過ぎて滑りやすくなるので注意が必要です。サンダーを終えたら、いよいよ塗装。オイルもいろいろと種類があります。オスモカラーが体に優しくて有名ですが、いかんせん高い…。ここはワトコでも十分と判断し、使い慣れたワトコオイルを塗ることにしました。色はお気に入りのミディアムウォルナットです。

夜な夜な塗装していた時の様子。

「施工後、2年が経過して」

オークにもソノケリンにもパインにも小傷は無数にできました。確かにオークやソノケリンは固いので、傷といっても深いものではなく、味があってとてもいい感じです。それよりなにより、子どもがマジックやボールペンをつけた所の方が気になります。が、あまりギャーギャーいうのもアレですし、それも家の歴史ってことで、精神的ダメージはゼロ。どこかのCMのように素足が気持ちいい家になっています。

また、無垢材の反りや縮みに関しては、やはり乾燥する冬に目立ちます。ですが、反りは足が引っかからない程度ですし、縮みは小さいゴミが入ることはありますが、掃除機で吸えるのでこちらも問題ありません。まあ木が呼吸している証拠でもあるので、こういったことに神経を使ってしまう人は、複合フローリングの方が寸法の狂いが少ないので、気持ちよく過ごせると思います。

では今回はこの辺で。

これにて「フローリングを張る【秘境に家をつくろう〜工事編11〜】」は終了。

次は「ドアを取りつける【秘境に家をつくろう〜工事編12〜】」にいきます。

to be continued

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