前回の記事にて浴室がほぼ完成するところまでを書きました。
この続きです。
今回は、外壁に関して。
以前書きました「屋根、外壁、浄化槽、電気【秘境に家をつくろう〜工事編04〜】」にて以下の紹介をしました。
家を建てるということは、それこそ100以上の決断が迫られます。そのひとつが「外壁をどうするか?」。セルフで外壁を張る場合、その加工のしやすさから、木材を使うことがやはりベストの選択肢でしょう。しかし選択したのは、ガルバ(ガルバリウム鋼板)でした。理由は、木材を使用するよりも安くなるからです。板金屋さんに施行してもらっても安くなりますし、なにより「自然の中の家=ログハウス」みたいなイメージがあるなかで、あえて無機質な感じを出すのも面白いと思ったからでした。
ただ、これを施行するには外壁に胴縁(どうぶち)という下地となる木材を流さなければなりませんが、それはとりあえず後回しにしました。
上記の「後回し」にしていた理由は、とにかく冬の寒い中での外作業はなかなかテンションが上がらないこと…。でしたが、いつかはやらねばなりませんので、重い腰を上げて取りかかります。
外壁の下地となる、胴縁を打っていこう
放置していた状態がこちら。
屋根は出来ているし、壁も透湿防水シート&要所に防水テープを張ってある状態です。ここからすべきことは、外壁を張るための下地(胴縁)を釘で打っていくこと。が、ここで問題が。その釘が間柱や柱に打てないと効かず意味がないのですが、透湿防水シートを張ってある状態だとどこに打っていいのか全く分からない…。
しかも間柱の厚みが30mmなので、正確にそこに打ち込むのは、なかなか難しいのです。基本は455mmで打っていけばいいのですが、誤差もあるため、その都度スケールで計って印を付けたり、家の内側からも確認したりしながら行うという、かなり効率の悪い作業になってしまいました。
そういえば、家作りを始めたことに大工さんから「柱がある部分を基礎に印をつけておくと後でラクだよ」と、言われていました。今はその重要性が分かりますが、当時は「何のために?」が分からず、華麗にスルーしちゃっていました。反省です…。
そんなこんなで、家の四方に胴縁をぐるっと以下の順番で打っていきます。
1、まず適当に墨を1本水平に打ちます
文字で書くと簡単そうですが、水平に1本打つのはかなり難しものです。僕は、大工さんがたまたま測量機を持っていたので、お願いしました。
2、1で打った墨を基準に上下455mm間隔で墨を水平に打ちます
3、墨に合わせて胴縁を打っていきます
平屋のように横に長い建物の場合、まず胴縁の長さが足りないので、下地に柱があるところで継いでいきます。
4、細々した所にも胴縁を打ちます
窓枠の上下、吸排気口の四方、基礎のすぐ上の部分は2本打つ、垂木に当たる部分(換気のため、適度に間隔を空けて)など。今回は板金屋さんに外壁をお願いすることで、最終的には板金屋さんのOKが出ればバッチリという流れでした。
胴縁打ちが完了。じゃあ外壁の施行だ! なんて思っていましたが、まだ板金屋さんは取りかかることができません。軒天(屋根の裏側)を張る作業が残っていました。
軒天を張ろう!
屋根の裏側というのでしょうか。庇の下側を軒天といいます。次はここに裏板を張っていきます。
軒天の材料を選ぶ
軒天を張るにあたり、まず最初に行ったのが材料選び。費用の安さから杉の裏板であいじゃくりの物を選びました。
裏板を塗装する、塗料を購入する
杉の木目が出るとイメージしている外観にならないと思い、街の塗料屋さんへ。そこで「オイルが染み込む塗料ではなく、木目が見えなくなるもの。そしてマットブラック。みたいのあります?」と相談。
出てきたものは、もう黒だけで何種類あるのよ!?っていうぐらいの色見本でした。これは難しすぎるので、なんとなくのものを注文。その際に、どのぐらいの広さに塗りたいということを伝えたことで、必要な量を提案してもらい購入しました。
木材をカットする
届いたものは、1820mmより少し長いものでした。なので、山ほど積まれた木材をスライド丸ノコでひたすら1820mmにカット、カット、カット。1820mmの理由は丁度垂木に釘が打てる長さだからです。
購入したマットブラックで塗装をする
上にある物を塗装するのはなかなか大変です。塗料は垂れるし、首は痛くなるし…。と分かっているのに、その後のDIYではちょくちょく塗装を後回しにしてしまっています。ですが、この時ばかりは量が量なので、カット済みのものを塗装。塗装後は、しばらく乾かさないといけないので、軽トラの荷台に並べたりなど、場所を事前に確保しておくことも重要です。
釘を用意する
ここは特に抜けて欲しくない場所、かつ雨があたらないものの屋外という条件。普通の釘ではなく、ステンレス製のスクリュー釘を、街の金物屋に買いにいきました。結構な値段がするので「余裕を持ってたくさん買っておこう」という買い方はできず、結局、後日また1箱買いに行ったことを覚えています。
釘打ちのガイドをつくる
できるだけスムーズに。そして、等間隔に釘を打てるよう、裏板に印を付けられるガイドを作りました。現場に落ちている廃材で適当に作るものですが、こういったものがあるとないとじゃ作業効率が各段に変わります。
軒天を張っていく
張るにあたって、基準となる目印が必要となります。当初は「大工さんが作った骨と屋根なんだから、誤差はないでしょ?」なんて思っていましたが、相手は木だけに微妙に寸法が変わったりしています。
そのため、まずは水糸を張って基準を作り、墨を打ちます。その準備ができたら、木材を足場の上に運び、ガイドを使って裏板にドリルで下穴を開け、そして金槌で釘を打ちます。この金槌がかなり大変でした。裏板が柔らかいことからエア工具でビシバシ打つのは向いていないため、1本1本すべて手で打っていきました。上に向かって打つ金槌は修行と言ってもいいぐらいの大変さです。
南側はひとりで、東西はややこしい部分が多く大工さんに、北側は大工さんに手伝ってもらいながら進めていきました。ちなみに、もうやりたくない作業ランキングがあるとすれば余裕で5位に入る作業でしたね。特にやや不安な足場だったので、無駄にスリルを感じたので余計にです。
こうして、胴縁打ち、軒天張りが終了。ついに外壁!ではなく、玄関の庇(ひさし)も付けておかなければ外壁が張れない…。
玄関ポーチをどうするか?
玄関ポーチは広いほど便利というのが一般的です。しかし、
予算的にあまりそこにお金をかけたくない。なので広さは求めない。
よくある柱2本が庇を支えている構造よりも、シンプルな形にしたい。
という思いから、大工さんの仲間の方に鉄で作ってもらうことにしました。
鉄の庇を壁に付けて、2本の鉄棒で落ちないようにするものです。この鉄棒がすんなりつくと思いきや、穴の大きさとボルトの太さが合わない…。ホームセンターに走り、鉄用ドリルと一応切削油を購入してなんとか取付ができました。
そして本来は錆ないように塗装するのですが、家が完成した今も未だ手つかず…。桜が咲く頃にでも塗ろうと考えています。
外壁は、ガルバリウム張り
胴縁、軒点、玄関の庇が終わったことで、遂に外壁を張る時がきました。ここは完全に板金屋さん任せなので、数日で完了。写真でダイジェストを。
外壁が張られたことにより、外観はいよいよ家らしくなりました。
次は、この外観を張っているときには既に始まっていた内装を紹介します
これにて「外壁施工【秘境に家をつくろう〜工事編08〜】は終了。
次は「石膏ボード張り、パテ施工【秘境に家をつくろう〜工事編09〜】」にいきます。
to be continued