前回の記事にて屋根、外壁、浄化槽、電気などに関するところを書きました。
「屋根、外壁、浄化槽、電気【秘境に家をつくろう〜工事編04〜】」
この続きです。
「昔の家は気密性がなく隙間風が多い。けれども木が呼吸し、長持ちする」という話もありますが、雪国ですと隙間風は死活問題です。なんせ本当に寒いですし、暖房効率も各段に悪くなってしまうからです。
今回は、断熱を中心に紹介します。着工前は、環境に優しい断熱材とか色々と考えました。しかし最終的には、信頼できる大工のMさんオススメの方法にすることにしました。
断熱材を入れよう
大引きの下に束を入れた後に、構造用合板(24mm)を敷き終わりました。これから断熱材を入れていきます。入れたのは、MAG ISOVER社の「マグスーパーイエロー」というもので、いわゆるグラスウールです。今調べてみると、在庫限りで販売が終了するようで、後継は「イゾベール・コンフォート」というものになるようです。
これを壁、天井に隙間無く入れていきます。注文したサイズは幅違いの2種類。柱と間柱、間柱と間柱の寸法が異なるからです。電線など障害物が何もないところは、縦の寸法を測って、その通りにカッターでカットして入れるだけ。と、すんなり進んでいきます。
しかし、電線があれば断熱材を割いてそこを通すように。コンセントがあれば、少しくり抜いて気密コンセントカバー(後述します)をつけて。など障害物がある場合は、書くと簡単ですがやってみると結構な時間がかかります。
グラスウールといえば、触ったことがある人は分かると思いますが、とにかく体のあちこちがチクチクします。慣れないと本当に不快この上ありません。この断熱材は比較的施工者に優しく、チクチクが少ないということでしたが、いやいや普通にチクチクしました。
作業する時は、手袋、マスクは必須。かつウインドブレーカーのような素材の服を着るのがオススメです。ただ年に何度も施工する大工さんは慣れるようで、特に気にせず作業できるみたいです。
気密コンセントボックスカバーをつけよう
先ほど書きました、気密コンセントカバーというもの(詳しくはリンク先を参照ください)。断熱、気密を考えた場合、どうしてもコンセント部分が弱くなってしまいます。それを避けるために、豆腐の容器のような形をしたこの部材をつけます。コンセントなどの電材はホームセンターに売っているのですが、この部材だけはそこら辺で購入できませんでした。
そのため必要数を数えて、ネットで注文。その後、コンセントを追加したら足りなくなってまた注文。となかなか遠回りしながら準備しました。
「こんな細かいとこの断熱とか気密なんて大したことなくない?」なんて思いましたが、そこら辺をいかに丁寧に仕事するかで、その後の住環境に差が出るようです。チリも積もればなんとやらです。
とはいえ、実際にはそこまで丁寧にはやっていません。とにかく早く終わらせたい気持ちが勝っていたからです。しかし現状は問題なく住めているので、まあ問題ないのかなと思っています。作業者が自分だからこそ「まっいっか」となっちゃう話です。
気密コンセントカバーは、コンセントがある所のすべてに付けた訳ではなりません。室内と室内に挟まれた所にいれても意味はないので、壁が外に面している(断熱材がある)所にのみ付けました。
気密防湿シートを張ろう
断熱材を入れ終わったら、次は気密防湿シートを張ります。バリアエースという呼び名のもので、家の内からの湿気が壁の中に入らないように、そして気密性を高める効果があるようです。いわゆる高気密住宅にするための施行です。
何でもそうですが、この工法は賛否があります。否定的な意見としては「本当に隙間無く施行できるのか?」、「そのシートは何十年も持つのか?」、「壁の中に湿気が入ったら最後、絶対にカビるはず」などです。
こればっかりは専門家でもない僕には、判断できません。「プロ」である建築業界にいる人の中でも意見が割れるのですから。そうなると、やはり今まで同じ工法で家を建ててきた大工のMさんの意見に従うのみです。
こちらも断熱材と同じく、寸法を測って、切って、張っての繰り返しです。切る際は、カッターを使うのですが、材質との相性なのかすぐに切れ味が落ちるので、何回も刃を替えました。そして張るのはタイベック(透湿・防水シート)と同じく、再びタッカーで止めていきました。
この頃になると、だいぶ雪が降るようになってきました。しばらく寒さとの闘いでもありましたが、断熱材を入れた途端、明らかに室内が暖かくなりました。断熱材の効果を肌で感じられた体験でした。
これにて「断熱材を入れる【秘境に家をつくろう〜工事編05〜】」は終了。
次は「ボイラーはどうする?【秘境に家をつくろう〜工事編06〜】」にいきます。
to be continued