家作り工事編

着工前から着工へ【秘境に家をつくろう〜工事編01〜】

2019/07/25

下記ふたつの記事にて家の設計が決まるところまでを書きました。

【秘境に家をつくろう〜土地探し編〜】

【秘境に家をつくろう〜設計編〜】

今回は、この続きです。

 

家を作る場所を決めよう

まずは3,500㎡ある農地を測量し、宅地化する490㎡を文筆しました。

って、文字で書くとほんの1行ですが、これも時間がかかりました。しかし、このパートは土地を仲介した不動産屋さんがそれらを専門職の人との間に入っていたので、僕は書類に次ぐ書類を提出するのみでした。

実際の現場確認では、

不動産屋さん「どの辺に建てますか?」

僕「まあ日当たりとか、車を置くスペースとかを考えるとこの辺でしょうか?」

不動産屋さん「じゃあこんな感じですね」

こんな感じで、結構適当に場所を決めました。

一応気にしたのは、雪をよける場所。片流れの屋根にして勝手に雪が落ちるようにするので、落ちた雪を除雪機でシャーッと飛ばしても隣の敷地には入らないということでした。

 

着工時の段取りは、1割程度…

家を建てる場所を決めたものの、他の細かい部分は完全に白紙の状態…。

  • 「照明やスイッチをつける位置をどうするか?」
  • 「窓をどの高さに入れるのか?」
  • 「テレビの位置はどうする?」
  • 「床材は何を張る?」
  • 「ドアはどうやって作る?」

などなど、あらゆるものが未確定。

職人は段取りが8割といいますが、僕らはいいとこ1割ぐらいの段取り。実は、これはあえての選択といいたいところですが、これしか選択肢はありませんでした。

というのも事前に完成イメージを持って逆算していくなんて、素人に難易度高すぎですから(とはいえ、事前にイメージできる人は段取り率を上げる方がオススメです)。

一方で、現場を見ながらイメージを膨らませて判断できるというメリットもあります。もちろん効率は悪いのですが。段取りができているほど工事はスムーズに進みますからね。それにその都度、材料を買いにホームセンターに行かなければならず、費用の面でも不利になります。

さて、段取りがほぼできてない状態ですが、いよいよ工事に入っていきます。

浄化槽をどこに設置する?

都市部の人には聞き慣れない「浄化槽」というものがあります。

洗濯や風呂、トイレなど、人が暮らしていると多くの排水が出ます。日本のおよそ8割の家庭では下水管を通り、処理施設へ運ばれますが、下水管に繋ぐことが困難な地域では、各家庭で排水を浄化した上で、近くの側溝などへ流すことになります。これを浄化槽(合併処理浄化槽)といいます。

法律で排水を浄化しないで垂れ流すことは禁止されています。工事にかかる費用は、およそ100万円(5人槽の場合)。結構大きな金額ですが、補助金を交付している市町村も多く、高山市の場合は352,000円の補助がありました。

これも家を建てる時と同じ感じで、あくまでも家からほど近く、そして邪魔にならない場所に位置を決めました。ひとまずある程度、家の工事が進んだ段階で設置工事をするということで、とりあえずは写真のように位置決めのみをしました。

基礎工事が始まる

僕らが提案した最終的な間取りを元に、大工のMさんが図面を起こしてくれました。それを元に不動産屋、市役所、業者など、関係各所とやりとりをしていくことになります。

その図面を元に始まったのが、基礎工事。「セルフビルド」などの本では、基礎から自分で施行するといった人も多くいますが、基礎のことなど1mmも分からない僕らですから頼んで正解でした。それに重機がないと始まらないので、もしそこも自分らでやろうとしていたら途方に暮れていたと思います。

流れとしてはこんな感じでした。

  • 表面の柔らかい畑の土を取り払って、固めの土地へと改良。
  • 固めの土が足りなくなると他の部分を掘り起こして固い土を補充。
  • ある程度整地した後、丁張り(よく工事現場で木の杭を打って建物を囲んでいるやつです)。
  • 一見、平らに見えていた土地でしたが、結構高低差があるということが判明。
  • ルンバ1台で家中の掃除を出来るようにという考えでしたが、家の真ん中ほどで1つ段差を付けなければならない。そうしないのであれば、玄関がかなり高い位置になってしまう。
  • 段差をつくることに賛成。その分、工事の手間が増えるので費用は若干上がる。
  • 溝掘り、型枠設置、砕石投入、整地、生コン投入と順番に繰り返す。

基礎を自分で行う人は少ないと思いますが、雰囲気としてはこんな感じです。

工事前の状態。

 

表面の柔らかい土を剥がしていきます。

 

ショベルカーで遊ぶ長男。

 

整地を終え、丁張り。

 

捨てコンクリート。これを元に基礎を作っていきます。

 

砕石を敷き詰めた所。

 

鉄筋をはわせたところ。

 

数回に分けてコンクリートを流しながら作っていきます。

 

そして基礎が完成した写真がこちらです。

基礎工事にかかった日数はおよそ1ヶ月半。まだ「基礎」しかない状態ですが、今まで長い時間をかけて家作りの下準備をしていたこともあり「本当に動き出した!」という思いで、ワクワクしたのを覚えています。

仮設電源を引く

基礎工事と平行して行ったのが、電柱の設置と仮設電源の設置でした。

電柱の設置

電気を通す申請は個人では難しいようで、町の電気屋さんに依頼しました。書類を提出してから3ヶ月ほどかかりましたが、ようやく電柱が立つことに。数日前からは、県道の横に転がる我が家へ電気を運ぶ為の電柱が。その数5本。

1軒だけのために結構な手間がかかることになりますが、中部電力が無料で行ってくれます(既存の電柱から1km以内)。

ちなみにソーラーパネルを設置して、電気を自給自足する「オフグリッド」も考えました。しかし、降り続く雪によって発電できなかったり、なにより蓄電池が高価ということもあり、採用を見送りました。

 

電柱を立てる様子を写真にて。

穴を掘ると共に電柱を持ってきます。

 

電柱を立てていきます。

 

このような流れで、5本の電柱が立ちました。

ちなみに業者の一人は同じ町内のナイスガイ。こういう所で世間の狭さを感じますね。でもこういったのがなんか嬉しいんですよね。

 

仮設電源の設置

「住むのなんてまだまだ先なんだから電気は最後でいいでしょ」

なんて思っていましたが、完全に間違えた考えでした。何をするにしても電気が必要なんですよね。エアーコンプレッサーを動かせなければ釘打ち機は使えないし、充電工具の充電だってできませんから。

そこで必要になるのが仮設電源です。毎月定額で工事の間だけ使えるもので、敷地の端に仮の電柱を立てて、そこに電気を繋ぐといったものです。

ネット上では個人で電柱を立ててやっている人もいましたが、このパートも電気屋さんに依頼しました。

びっくりするほど斜めの仮設電柱です。ここにつけたコンセントから電気を使います。

 

基礎が完成し、仮設電源も準備OK 。となれば、助っ人大工さんの日程が合う天気のいい日に上棟となります。僕の出番が徐々に近づいてきた訳ですが、この間はまだまだ業者任せなので、まだ気持ちに余裕があります。

 

これにて「着工前から着工まで【秘境に家をつくろう〜工事編01〜】」は終了。

次は「地鎮祭から祝!上棟【秘境に家をつくろう〜工事編02〜】」にいきます。

to be continued

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