雑記

HDDが故障、データ復旧までの手順〜大切な写真を救出しよう〜

2021/02/03

「消耗品」と呼ばれるHDD。人生で初めてHDDの故障を経験し、そして奇跡的にデータを復旧できたまでの話です。あって欲しくないものですが、もし僕と同じようにHDDが故障してしまった人へ。この記事が一助になれば幸いです。

HDDが故障!?、読み取れなくなる

問題のHDD。持ち運びが便利なので重宝していましたが…。

その時は、なんの前触れもなく訪れました。

「あれっ?デスクトップにHDDのアイコンがない?」

使っていたHDDは「LACIE LCH-RK1TU3」、USBで電源をとる1TBのポータブルハードディスク。

何度かケーブルを抜き差ししてみても、まったくデスクトップにアイコンが現れる気配はない。USBを繋いだ時に「プップップッ」と音が鳴り、その後は無音。

「こんな音、鳴ってたっけなぁ…」「バックアップ取ってない写真が大量に…」「えっ、これ結構やばそう…」なんて思いながら、症状が改善しそうにもないので、Google先生に相談。

HDDの故障は、論理障害と物理障害に分けられる。

  • 論理障害=機器自体は故障していないものの、データに不具合が生じている状態。状態によっては自分でも専用ソフトなどを用いてデータを復旧できることがある。
  • 物理障害=機器自体が故障している状態。軽度から重度までいろいろな故障があり、素人がデータを復旧するのはまず無理。

どちらの場合でもデータの復旧の可能性は100%ではありません。自分でできれば費用的に助かりますが、多くの場合はデータ復旧業者に依頼することになるでしょう。ただそれでも100%ではないというのが、このHDD故障の難しさです。

なるほどなるほど。いろいろなサイトを見る限り、僕のHDDの症状は「物理障害」の可能性が高いことが分かりました。そしてHDDのデータ復旧を業者に依頼すると、とにかく値段が高いということも。特に「物理障害」は「論理障害」と比較すると、高額になるケースが多いようです。10万、20万、時には40万など、気軽に出せない金額ばかりが目につきます。専用の設備が必要なのも分かりますが、さすがに厳しい…。しかも更に調べると「ふっかけられた」「値段交渉したら一気に半額になった」などのコメントも散見されました。

それならば「できるだけ自分でやってみよう」

そう思い、さらに調査を進めました。

本当にHDDが認識できないのかを確認

まず確認したのは、デスクトップにアイコンが出ないだけで、本当にPCがHDDを認識していないのかどうかです。MACでの話になりますが、「Finder」の上に出てくる「移動」を押し、「ユーティリティ」、「ディスクユーティリティ」の順に開いていきます。HDDを読み取れているのであれば、左側にHDDが出てくるはずですが、出現せず。MAC側でHDDを認識できていないことが確定しました。

HDDの故障っぽいけど、何が問題かを検証する

ケーブルを確認する

MAC側で認識できない理由を考えると、もしかしたらHDDとMACを繋ぐケーブルに問題があるかもしれません。しかし他のHDDのケーブルと入れ替えてみても、症状は変わらず…。これで、ケーブルでもないことが確定。

HDDケースを確認する

今回まで知らなかったのですがHDDは「ケース」に入っていて、HDDとその「ケース」が繋がっています。そしてそのケースからケーブルが出てPCに繋がる、という構造になっています。

そこでネットで見た情報を見よう見まねで行ってみました。ようは「ケース」からHDDを出して、HDDとPCを直接繋ぐという方法です。この結果で「ケース」が壊れているかどうかが分かるので、うまいこといけばここでデータを救出できる可能性があります。

HDDのデータ復旧を行うにあたって「素人はあまり触らないで」というのがどの業者も口を揃えて言っていることです。それはそうでしょう。下手に触って、更に症状を悪化させてはいけませんから。けれども「もしかしたら安く済むかも」という期待があったので、セルフHDD繋ぎをしてみました。あくまでも自己責任を理解した上でのことです。

HDDケースからHDDを取り出す

取り出すにあたって以下の2点が必要でした。

  1. 「トルクスドライバーのT8サイズ」→ホームセンターで購入
  2. 「HDDをUSBに接続するケーブル」→Amazonで購入

品物が届き、トルクスドライバーを使ってHDDケースをいざオープン!

裏面の四隅にある4本のビスを取るだけで、簡単にカバーがスライドしました。

カバーをスライドさせた状態。HDDはHDDケースとくっついているので、これを外します。手で簡単に取れました。

これがHDDケース。これが壊れているのであれば簡単に復旧できそうですが…

中に入っていたHDDは、SAMSUNG製のHN-M101MBBというもの。これに直接ケーブルを繋いでPCへとUSBで繋ぎます。

取り出したHDDに直接ケーブルを繋ぎ、PCへと繋ぎます。

「頼むぞ、読み込んでくれぇーーー!」

「プップップッ」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「えっ・・・」

何も起きませんでした…

アイコンももちろん出現せず。HDDも最初の「プップップッ」音だけで、その後、頑なに無音を貫いていました。数日かけて故障原因をさぐるため、物を揃えてみたものの完全にHDD自体が壊れいていることが確定。はい、結構ショックが大きかったです。

叩いてみる

昭和のテレビは映りが悪くなると叩けば治る!なんてありましたが、HDDも何か衝撃で壊れたんなら衝撃で直るかも?と、どの業者も「絶対にやめて!」という禁断の方法をトライ。ちょっと叩いてみましたが案の上、まったく症状は改善されず。いい子は絶対に真似しないでください。

バックアップから探してみるも

実際には、HDD内に入っている一部の写真さえ復活できれば良かったので、

  • タイムマシン
  • iPhoneバックアップ

これまた長い時間をかけて上記のふたつから欲しい写真を探しましたが、結局はやはり故障しているHDDにしか入っていない写真ということが判明。こうなったら最後の手段しかありません。藁にもすがる思いでいろいろとやってみましたが、業者に依頼することを決意しました。

HDDの故障、業者は「PCエコサービス」に決定

ネットでいろいろ見ていくと、自分のHDDは「物理障害」という可能性が高く「論理障害」よりも高くつきそうなことが分かりました。多くの業者のHPを見ていくと、相場はざっくり10万〜20万円、最悪40万円。いくら思い出の写真はプライスレスといえども、そんなに出せません。そこで「HDD データ復旧 格安」などで検索すると、

「定額39,800円!」

を発見。「物理障害」でも定額でデータ復旧をしてくれる会社(PCエコサービス)、いくつかのメディアにも取り上げられているとのこと。相場の金額からだいぶ安いだけに怪しさが漂います(失礼)。ただ、現実的にはこの料金で復旧できるなら是非ともお願いしたい。それに以前住んでいた中野にある会社なので、きっと大丈夫(意味不明)!

PCエコサービスの口コミ

となると「PCエコサービス」自体の口コミが気になります。HP上にも「お客様の声」があり素晴らしいコメントが並んでいましたが、できればブログなどでの口コミも見たいというのが、正直な気持ち。するとイメージしていたブログを見つけられました。すごい丁寧にPCエコサービスとのやりとりが載っていたのです。結果的には、残念ながらデータを復旧することはできなかったそうですが、やりとりはとても気持ちのよいものだったそう。

口コミのパワーはやはり強いですね。「よしっ、やっぱりここにお願いしてみよう!」と決意し、まずはHPから問合せてみました。

PCエコサービスに送ったメール

こんにちは、下記、問合せさせていただきます。

外付けHDD「LACIE LCH-RK1TU3」が数日前よりPCに認識されなくなりました。通電すると同時に「プップップッ」と何度か音がして、その後、無音になります。当方で中のHDDをケースから取り出し、直接HDD→USBケーブルに繋いでみましたが、症状は変わらずでした。中に入っていたHDDはSAMSUNGのHN-M101MBBというモデルです。

直接ご覧にならなければなんともということも承知しておりますが、このような症状の場合でも定額の39,800(税別)の範囲でデータを復元できる可能性はありますでしょうか? 子どもの写真が大量に入っているので、なんとかデータを救出できれば本当に嬉しく思います。

お手数おかけしまして大変恐縮ですが、ご回答いただけますと幸いです。宜しくお願いいたします。

PCエコサービスから返信が 

お問い合わせ頂きました機器の症状はデータ復旧を行える可能性がある状態です。

症状:機器障害にて正常認識せず、データへアクセス出来ない状態。

データ復旧作業からご返却まで、最短3日〜1週間前後を予定しております。また弊社がお客様の機器をお預かりした翌営業日より、2営業日以内に「HDD検査結果のご報告」をメールにてお知らせ致します。(定休日はホームページ記載の営業日カレンダーをご参考下さい。)既に他社診断にて磁気ヘッド交換が必須とのご説明がある場合においても、弊社設備のデータ復旧解析機PC-3000の技術により、物理障害機器の80~85%をHDD開封や磁気ヘッド交換を行わずにデータを復旧することが可能でございます。詳しくは弊社HP「最新技術」をご参考下さい。

 「データ復旧できる可能性がある!いやっほーう!」

となると、善は急げ。まずは新しいHDDを購入しにケーズ電気へ。というのも故障しているHDDが使えるようになる訳ではないので、復旧したデータを入れるものが必要だからです。そして故障しているHDDと共に新しいHDDをPCエコサービスへ郵送しました。

そして3日後、PCエコサービスからメールが

 「障害レベル:重度物理障害(再利用不可)」
復旧結果 :データ復旧成功
解析機にて障害機器を検査したところ、セクターにキズや磁気劣化などの不良セクタが発生している為、不良部分を避けながら救出可能なご希望データを救出致しました。

 

「おおおおおーーーーう!!!」

そこには「データ復旧成功」の文字が!

これは、嬉しい。いやー嬉しいったらない。大事な写真を復旧していただけたことはもちろん、数十万円もの費用がかからなかったことは、我が家にとって、本当に嬉しいメールでした。

HDD故障、データ復旧の費用 

早速、下記の金額を振込。

データ復旧費:39,800円

外付けHDD書き出しサービス費(持ち込み機器への書き出し):5,000円

消費税:4,480円

合計:49,280円

これ以外にかかった費用は、往復の送料約2,000円と新しいHDD(1TB)約8,000円。更にはトルクスドライバー約1,000円とケーブル約1,800円。なので、総合計はざっくり63000円ぐらいになりました。僕にとっては決して安くない金額ですが、それでも他社と比較するとかなりリーズナブルにデータ復旧ができたと思います。

HDD到着

数日後、待ちに待ったHDDが無事到着。早速、中身を見てもたら、ちゃんとデータがありました。壊れているデータがあると復旧できないこともあるそうですが、ざざっと見た感じ、ほぼ100%復旧できていると思います。写真とか何千枚もあるので、1枚、2枚、無くなっていたところで分からないですし。

HDD故障からデータ復旧までのまとめ

改めてHDDは「消耗品」ということを理解しました。そしてなにより今回のことで、精神をかなり消耗しました。もう二度とこんな思いはしたくありません。

HDDのデータを失わずに済むには、こまめにバックアップを取り続けるしか対策はありません。そのためにHDDをもう1台買っても、データ復旧を依頼するよりは圧倒的にリーズナブルですから。ですが、そんな万が一の時のために復旧サービスを提供してくれる業者、特にPCエコサービスには、ほんと感謝の気持ちでいっぱいです。

-雑記
-,

© 2024 秘境に家をつくる